ごあいさつ         院長  妻沼 到

  • 山形市の嶋南で,脳の病気の予防と治療を専門にする “ブレインクリニック妻沼” で診療しております院長の妻沼でございます.クリニックの開設より7年が経過し,多くの患者さんの診療に携わって参りました.脳を守るためのお役に立てているか?患者さんの訴えに即した診療ができているか?と自問自答しながらひとりひとりの患者さんに接しているつもりです.これからもこの姿勢を崩さずに努力して参る所存です.何卒よろしくおねがい申し上げます.

     

    脳を守りたい!

    私は,昭和61年以来,脳神経外科一筋に仕事をして参りました(院長略歴). 私の専門は脳腫瘍ですが,大学病院以外の総合病院で勤務していると,入院患者さんは脳卒中や頭のけがの方がほとんどです.夜を徹して行った手術がうまくいき,命からがら運ばれてきた患者さんが元気に歩いて退院される姿を拝見するのは外科医冥利に尽きるところではありますが,みんなが良い状態で退院できるわけではありません.中には力及ばず不幸にも命を落とされた方,命は助かっても半身不随・言語障害などの重い後遺症に苦しむことになってしまった方も少なからずいらっしゃいます. 手術をすれば良くなるのが当たり前と思われるかもしれませんが,実はそうではありません.なぜかと申しますと,一度障害を受けた脳のはたらきは,ほとんどの場合元通りには戻らないからです.たとえば脳の中に大きな出血が起こった場合,手術で血のかたまりを除去すれば命は助かっても,出血したときに傷ついた部分が手足の動きに関係する重要な部分であると,半身不随の後遺症が残ってしまうのです.つまり脳に重大なダメージが起こってから治療をしたのでは遅いのです.次第に,こうなる前に何とか脳を守ってあげたいと考えるようになって参りました.

    全身の病気の管理が脳の病気にかかる危険を減らす!

    脳出血・脳梗塞などの脳卒中は,脳の病気ではありません.脳の血管の病気です.脳の血管がつまったり破れたりした結果として脳が傷ついてしまうのです.脳の血管の異常は,全身の血管の異常と同じく,メタボリック症候群(内臓脂肪型肥満に高血圧,糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病を合併した状態)と喫煙などにより起こりやすくなります.従って,日常これらをきちんと管理すれば,脳卒中は減らせるはずです. 最近では,脳卒中の原因となるこれらの危険因子が,同時にアルツハイマー病などの認知症の危険因子にもなっていることがわかってきています.メタボリック症候群・喫煙の管理は認知症の発症をも抑えると考えられます.

    脳と脳血管の病気の早期発見が脳の病気にかかる危険を減らす!

    メタボリック症候群(内臓脂肪型肥満に高血圧,糖尿病,脂質異常症などの生活習慣病を合併した状態),禁煙などにいくら気をつかっても,なかなか危険を減らせないものもあります. クモ膜下出血は突然発病し,3割近くの患者さんが命を落とすか寝たきりになってしまう怖い病気で,そのほとんどは脳動脈瘤という脳の血管にできたこぶの破裂によります.脳動脈瘤があっても多くの場合症状はなく,破れて初めて一大事になるのです.脳動脈瘤の存在が分かっていれば,こぶが破れる前に破れにくくする処置を施すことにより,クモ膜下出血を予防することが可能です.そのためには,患者さんご自身の意思により無症状の段階でMRIなどの検査を受け,動脈瘤がないかを調べる必要があります. 脳に血液を運ぶ内頸動脈は,動脈硬化により細くなり易い血管の一つで,無症状のままに進行してある日突然つまったり,血の塊を脳に飛ばしたりして重症の脳梗塞になってしまうことがあります(内頸動脈狭窄症・閉塞症).これも無症状のうちに頸動脈エコー・MRIなどの検査を受けて見つかれば,血管を広げる治療を施すことにより,脳梗塞を予防することが可能です. 高血圧・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病は,自覚症状が乏しいのでつい治療をサボってしまいがちの方もいらっしゃるのではないでしょうか.ご本人は何も困っていなくても,全身の血管が徐々に痛んできます.脳の血管も例外ではありません.このような方の脳をMRIで調べると,脳に白質病変という異常を認めることがあります.程度が軽ければ,これ自体が治療の対象になることはありませんが,白質病変がある患者さんは,無い方に比べて将来脳卒中を起こす危険が高いと報告されています.全身の血管の痛みを知らせる黄色信号です.今こそ心して生活習慣病の治療に取り組む時ではないでしょうか.

    “自分の脳は自分で守る”

    脳を守るためにはどうしたらよいでしょうか?

    完璧な方法はまだありませんが,脳の病気にかかる危険を減らすために今できること.それは生活習慣病などの全身の病気をきちんと治療すること,禁煙運動そして脳や血管の病気を早期に発見することです.先にも申し上げましたように,脳の病気が発病してから治療したのでは良好な治療結果が得られないことが少なからずあります.脳の病気になる前に,“自分の脳は自分で守る”という意識を強く持つことが何よりも大事であると思います. ブレインクリニック妻沼は,そのような皆様のお手伝いをして,皆様が脳の健康を維持・増進するために少しでもお役に立てるように努力して参ります.また,不幸にも脳の病気になられた方,見つかってしまった方には,年齢やライフスタイルを考慮した上で最も適する治療法を提示いたします.もし専門病院での治療が必要と判断された場合には,病気の重さと緊急性を考慮した上で,適切な時期に紹介いたします. 地域の一員としての自覚を持ち,クリニックの公共性を忘れずに,皆様にお気軽に利用していただき,かかって良かったと思っていただけるクリニックになるようスタッフ一同努力して参ります.どうぞ宜しくお願い申し上げます.

    内科部門を強化し、訪問診療を始めました

    令和2年4月から、内科部門の強化を図るべく、副院長として大本英次郎先生をお迎えしました。大本副院長は、これまで山形県立中央病院血液内科科長として、白血病、リンパ腫、骨髄腫などの血液疾患の治療に従事し、山形大学とともに山形県の血液内科治療をけん引して参りました(副院長略歴)。今後は、引き続き血液内科疾患や生活習慣病の患者さんの外来診療を担当するとともに、新たに訪問診療部門を立ち上げて地域医療のさらなる充実に貢献して参る所存です。

    日本脳ドック学会認定施設

    日本脳ドック学会認定施設は,脳ドックの質の向上を目的に,同学会が定めた基準を満たすことにより認定される施設です.当クリニックは,平成28年4月1日に日本脳ドック学会認定施設に認定されております.詳しくはこちらをご覧下さい.

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